1996年10月11日(金曜日)
大学研究室のミーティングが終わって、自室に戻ってみると私のMacがフリーズしてました。 最近では珍しいなと思い、リブートしてみると,本来立ち上がるべき外付けのHDからではなく,内蔵していた緊急用の容量の小さいHDに作っておいたシステムから立ち上がりました。「あれ?」と思いつつも,この時点ではこれからのことを考えてもみませんでした.デスクトップ画面が表示されてきても,外付けのHDはマウントされませんでした.そしてその時,外付けの箱からは「かこっ,かこっ」という弱々しい音が聞こえていました.「こ,この音は・・」,そう今年の初めにも聞いた紛れもないクラッシュの合図.
とにかく復旧しなければならないので,一度電源を落とし,外付けを外して研究室にある共用のMacにつなぎ換えました.私の緊急用ディスクにはシステム以外に復旧用のNortonUtilitiesが入っていましたが,肝心の復旧内容を納めるに足りる容量が空いていなかったためです.共用のマックは先週HDを増設したばかりで,余裕がありました.
しかし,事態は悪化していました.3つに切ったパーティションが最初は全部見えたのですが,ディスクチェックをしているうちにどんどん見えなくなり,最後には1つのボリュームのみしか表示されなくなりました.しかも,名前もぐちゃぐちゃで,かろうじてHDと認識されている程度です.
VolumeRecoverをしても無駄だとNortonに言われたために,UnEraseで復旧を試みました.とにかく救えるファイルは救わなくちゃ.結局残ったボリュームがちょうどシステムフォルダを納めたところであったため,膨大な数の過去の電子メールを復旧することができました.このクラッシュしたディスクの中でバックアップをしていたのは「論文」という,無くなったら自殺もののフォルダだけで,他のファイルについては野放し状態でした.
ということで,この時点で私に残されたものは「論文」フォルダと「System」フォルダ(電子メール)だけでした.他の600MByte近くのファイルについては,緊急性や重要性が低い書類とアプリケーションだったのでこの時点では重大な被害ではありませんでした.
とにかく電子メールが復旧したことが救いでした.ということで,私は研究室を後にし,一路F1日本GPの行われている鈴鹿サーキットに出向いたのでした.
同年同月15日(火曜日)
鈴鹿から帰り,研究室に出向いたところ,後輩からかけられた言葉で私は再び悪夢に引き戻されました.
「いやあ,先週の土曜日にまたHDクラッシュしたんですよ〜.でも中身も買ったばかりでほとんどなかったのが救いですけどね.」
って,おい! そこには俺の復旧したメールフォルダがあったんだぞ!
「あ,大丈夫ですちゃんとNortonかけて復旧しときました」
本当か? だって200以上あったファイルが30個になってるよ.しかも全部リソースファイル.
ショックに打ちのめされているばかりにも行かないのでまたまたNortonで復旧作業を開始するが,むなしくもファイルは発見されませんでした.ということで,メールもさようなら.
最終的に私に残ったのはほぼ満杯だった1Gのデータのうち,80M程度のフォルダ1個だけ.研究室生活6年間で蓄積した人脈リスト(メール),実験データ,書類などが全て失われました.
この日は,この事実を確認したのち,そのまま自宅に帰り呆然としていました.
■HDクラッシュの原因
1.私のMacの外付けHD
2.共用Macの内蔵HD
■対策
ということで,結局バックアップをしっかりととっていればよかったのですが,それがなかったために取り返しのつかない事態を巻き起こしました.みなさま,バックアップはしっかりととりましょう.
でも,バックアップをしたディスクがクラッシュすると目も当てられません.
#冷静に書いてるけど,卒業が危な〜い!!
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SAKAGUCHI Tatsumi - tatsu@ee.seikei.ac.jp -