訳者の序

 GDB (The GNU Source-Level Debugger) とは、GNU Software の一つとして 配布されているソースレベル・デバッガのことです。

 Unix で動作するソースレベル・デバッガとして有名なものに BSD Unix の dbx がありますが、GDB は、dbx を使っていた際に訳者が感じた様々な不満 (巨大なプログラムをデバッグできない、遅い、変数の内容表示が貧弱 などと言った点) を、ほとんど解決しています。

 それでは、GDB の特徴を簡単にまとめてみましょう。

  1. BSD Unix の dbx アッパーコンパチ。cc でコンパイルしたオブジェクトと gcc でコンパイルしたオブジェクトの両方をデバッグできる。

  2. ソースファイルのローディングは、必要が生じたときに行なう。従って、 極めて高速に動作する。

  3. 巨大なプログラムのデバッグを支障なく行うことができる。

  4. 変数内容の表示機能が多彩。キャストも正しく理解する。

  5. ブレークのかけ方や処理の継続方法が多彩である。

  6. Emacs (Nemacs) から GDB を呼ぶと、実行中のソースを同時に見ながら デバッグすることができる。
 本マニュアルは、verison 3.5 の GDB に付属してくる `gdb.texinfo' を 和訳したものです。最新の GDB は version 4.7 (1993年2月現在) ですが、 基本的な機能に変更はありませんので、このマニュアルに書かれている 内容は、ほとんどそのまま流用できると思います。

 本文書が、わが国における GDB 普及の一助となれば幸いです。

1993年2月 古場 正行


 ある日突然思い立って、HTML化してみました。

1996年7月 古場 正行


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