GDB のコマンドは1行で入力します。その行の長さには、何も制限は ありません。コマンドはまずコマンド名で始まり、その後にコマンド名に 対応した引数が続きます。例えば `step' コマンドは、 `step 5' のようにステップ実行回数を引数として受け付けます。 また、あなたは `step' コマンドを引数なしでも使うことができます。 コマンドの中には、引数を受け付けないものも存在します。
GDB のコマンド名は、省略形があいまいにならない限り省略することが できます。ただし、あいまいな省略形を特別に許可してあるものも、中には 存在します; 例えば、`s' は、他の `s' で始まるようなコマンドをさしおいて `step' を意味するように設定してあります。コマンドの省略形は、 個々のコマンドの説明の項で紹介されています。
GDB に空行を入力することは、直前のコマンドをそのまま繰り返すことを 意味します。あるコマンドは、この方法による繰り返しを許可していません; これは、無意識による繰り返しがトラブルを引き起こす可能性があったり、 通常繰り返しを好まないようなコマンドである、などといった場合です。 また、(`list' と `x' などといった) あるコマンドは、 繰り返された時に更に便利であるような異なった動作をします。
`#' で始まる入力はコメントを意味します; 何も起こりません。これは、主にコマンドファイル上において便利な 機能です(“11.2 コマンドファイル”を参照して下さい)。
GDB は、プロンプトと呼ばれる文字列を表示することによって、 コマンドが入力可能であることを示します。この文字列は、 通常 `(gdb)' です。 あなたは、この文字列を `set prompt' コマンドによって 変更することができます。 例えば、GDB を使って GDB をデバッグするような場合に、片方の GDB の プロンプトを変更することでどちらの GDB があなたに話しかけているのかを 識別することができ、とても便利です。
あるコマンドは、スクリーン上に膨大な量の情報を表示してしまいます。
あなたがこれらの情報の全てを読むための手助けとして、GDB は、出力した
情報がページ単位 (スクリーン一杯) になった時、出力をポーズしてあなたに
問い合わせます。出力を続けたい場合は、TERM
とともに termcap データベースを
用いてスクリーンの形態を調べます。もし、これが正しくない場合は、
`set screensize' コマンドによって値を変更することができます:
もし、行数をゼロ行と指定したならば、GDB は出力する情報がどんなに 長くなろうとも出力をポーズしません。これは、GDB の出力をファイルに 記録したり、エディタのバッファに入力したりするときに便利です。